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秋田県の熱中症は7月に急増。室内熱中症の予防や初期症状を知って備えよう

2023年6月20日

「熱中症は炎天下の屋外で起こるもの」という印象を持つ方は多いかもしれません。しかし実際は、室内で発生する熱中症の割合は高く、秋田県では室内熱中症で救急搬送される方が特に目立ちます。

室内熱中症の初期症状や予防対策について知り、これからの暑さに備えましょう。

 

室内熱中症とは?

熱中症は、温度や湿度が高い場所で過ごすことで生じる、さまざまな症状の総称です。室内熱中症の場合は、部屋の温度や湿度の上昇、風通しの悪さなどが主な原因で起こります。

室内熱中症が起こりやすいのは、熱がこもりやすく湿度も高い、浴室や洗面所や家の最上階です。ほかには、火を使うキッチンやトイレのような狭い場所、エアコンが効かないベランダにいるときも気をつけましょう。

秋田県の室内熱中症の割合は?

2022年の総務省が発表した『熱中症による救急搬送状況』によると、熱中症の発生場所で最も多かったのは敷地内すべての場所を含む「住居」で、全体の約4割を占めています。

秋田県で2022年に救急搬送された人は、合計451人。そのうち約5割の221人が、住居で発生しています(下記グラフ参照)。全国平均と比べると、室内熱中症が発生する割合がやや高い傾向です。

なお、年齢別に分類すると最も多いのは288人の高齢者で、全体の半数以上を占めています。

熱中症が起こりやすい時期

熱中症は5月から発生しはじめ、9月ごろまで多くみられます。特に気をつけたいのは、梅雨の晴れ間や梅雨明け、真夏の気温が高い時期です。

秋田県の熱中症による救急搬送の月別推移をみると、5月は21人、6月は43人であったのに対し、7月は 242人と前月の5倍以上も増加します。

8月は79人、9月は66人と減少しますが、それでも5~6月と比較すると多い数値です。
梅雨に入り、本格的な暑さを迎えるこれからの時期は、熱中症の予防に備えておきたいですね。

 

室内熱中症の初期症状と応急処置

室内熱中症にかかったらすぐに気づき、適切な処置が行えるよう、初期症状と応急処置について紹介します。

初期症状

熱中症を疑う初期症状には、次のものがあります。初期症状であれば、現場での応急処置が可能です。

・めまいや立ちくらみ、顔がほてる
・一時的な失神
・筋肉痛や筋肉のけいれん、こむらがえり
・大量の発汗

頭痛や体のだるさ、吐き気、嘔吐があらわれると、中等症の熱中症であるおそれがあり、早め医療機関を受診する必要があります。

呼びかけに応じない、まっすぐ歩けない、体温が高い、けいれんを起こす場合は、重症の熱中症にかかっています。救急車を呼ぶなどして、すぐに医療機関を受診しましょう。

応急処置

室内熱中症かもしれないと思ったら、次の手順ですぐに応急処置をしましょう。応急処置は、初期症状のときだけでなく、医療機関を受診する前や救急車の待機中に症状を悪化させない方法としても有効です。

【1】エアコンが効いた涼しい室内に移動し、衣服を緩める。
【2】保冷剤やペットボトルなどにタオルやハンカチを巻き、脇の下や脚の付け根を冷やす。
【3】塩分や水分を補給する(経口補水液など)。

塩分や水分の補給には、塩分が入ったスポーツドリンクや食塩水(1,000mLの水に対して1~2gの食塩を加える)もおすすめです。塩分や水分を補給しても症状が良くならない場合は、医療機関を受診してください。

 

室内熱中症の予防対策


室内熱中症を予防するために日々取り組める、予防対策を4つ紹介します。

【1】暑さ対策をする

次の方法が室内での暑さ対策に効果的です。

・携帯型扇風機や保冷材を活用する
・ブラインドなどで窓から差し込む日光を遮断する
・玄関に網戸、向き合う窓を開けるなどで風通しを良くする
・ゆったりした服装で熱と汗を逃がす

環境省から発表される「暑さ指数」と「熱中症警戒アラート」を、毎日確認することも有効です。暑さ指数が28を超えると熱中症患者が著しく増加する傾向にあるので、室内では室温の上昇に注意しましょう。

熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測されたときにおこなわれる呼びかけです。発表されたときは、エアコンを使用するなどの熱中症予防をよりいっそう心がけましょう。

【2】エアコンで室温(温度)と湿度を管理

室温や湿度をこまめにチェックし、エアコンを活用して調整しましょう。適切な室温は28℃、湿度は40~60%が目安とされています。

冷たい空気は部屋の下の方に溜まりやすいため、扇風機を使って室内の空気を循環させるのが、室温をむらなく保つのにおすすめです。風が気になる場合は、扇風機を壁や天井に向けて、跳ね返った気流を利用すると、風がやわらかくなります。

エアコンを我慢して高温多湿の室内で過ごすのは避けたいところですが、エアコンが効きすぎるのも良くありません。室温が24℃を下回ると、屋外と気温の差がひらきすぎてしまい、部屋を出入りするときに身体へ負担をかける原因となるのでご注意ください。

【3】水分と塩分はこまめに補給

熱中症は、体温の調節がうまくできなくなり、体の中に熱がたまることで生じます。体温は、汗をかくことや、体の表面から空気中に熱を逃がすことで正常に保たれています。汗は血液中の水分や塩分でできているため、発汗量に見合う水分・塩分を補給することが必要になるのです。

室内は屋外に比べて汗をかくことが少ないため、のどのかわきを感じにくいことがあります。1日あたり1.2リットルを目安に、のどがかわいていなくても、こまめに水分をとりましょう。

在宅ワークや家事などで集中していると、知らず知らずのうちに水分を失っていることがあります。また入浴時や睡眠時も発汗しているので、これらのタイミングでは特に水分摂取を心がけましょう。塩分補給には、塩分入りタブレットや塩こんぶ、梅干しなどもおすすめです。

ただし、かかりつけ医から水分や塩分の制限をされている場合は、相談して上で適切な摂取をおこなってください。

【4】食事と睡眠で体調を整える

体調不良の方は、熱中症にかかるリスクが高くなるとされています。日々の食事や睡眠で、体調を整えるようにしましょう。

食事は1日3食、バランスの良いメニューで摂りましょう。とりわけ、炭水化物をエネルギーにかえるビタミンB1を含む豚肉や大豆製品や、疲労回復に役立つクエン酸を含む柑橘類や梅干しはおすすめです。

睡眠時間は、普段より1.5時間ほど短くなっただけでも翌日の体温調節機能が低下し、熱中症のリスクを高めるおそれがあります。通気性や吸水性に優れた寝具やパジャマを活用して、日々ぐっすりと眠れるように工夫しましょう。

 

室内熱中症に気をつけましょう

熱中症は命にかかわる病気です。室内にいると汗をかいたり、のどが渇いたりしていることに気づきにくいため、室温の管理や水分補給などに気をつけましょう。熱中症の疑いがあるとき、応急処置をしても症状がおさまらない場合は、迷わず医療機関を受診してください。

持病があり、熱中症予防について疑問や不安なことがございましたら、かかりつけ医に相談しましょう。当院でもご相談いただけますので、どうぞお気軽にお越しください。