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糖尿病について

ABOUT

糖尿病は、インスリンというホルモンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血液中の糖分なので「血糖」と呼びます)が増えてしまう病気です。
インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。

1原因

インスリンの分泌が少ないために糖尿病を発症する患者さん(1型糖尿病)と、インスリンの分泌低下だけでなくインスリンが効きにくくなってきたことで糖尿病を発症する患者さん(2型糖尿病)がいらっしゃいます。また妊娠に伴って糖尿病を発症することや、妊娠中だけ血糖値が高い状態となる患者さんもいらっしゃいます。

血糖値が長期間(数年から10年以上など)高いままで放置されると、血管がダメージを受けて、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります(糖尿病の急性合併症)。

血糖値を正常に保つことで、合併症の予防や改善を図れるため、適切な診断と治療、そして治療の継続が必要です。

2症状

症状がなく糖尿病になっていることに気がついていない方も多くいます。

糖尿病では、かなり血糖値が高くなければ症状が現れませんので、「自覚症状がないから血糖値は正常だろう」と判断することは大変危険です。定期的な健康診断などが大事になってきます。 ただし、高血糖によって起こりうる症状としては、

喉が渇く、水をよく飲む
尿の回数が増える
体重が減る
疲れやすくなる

などがあります。

糖尿病の診療

TREATMENT

1診断

主に血糖値とHb-A1cと言う数字で診断を行います。

血糖値 検査したその時の、血糖の濃度を表します
HbA1c 過去1,2か月分の血糖値のあらましを反映します

患者さんによっては甘い糖分の液体を飲んでいただき、何度か採血や採尿を行う検査を実施することもあります。
合併症の診断のために、動脈硬化や血流を調べる検査、心電図、採血(腎臓の数字や肝臓の数字、またコレステロールなどを主にみていきます)などの、各種検査を行うことがあります。

2治療

主に2型糖尿病についての治療方法をまとめます。

2型糖尿病では、そのほかの生活習慣病と同じく、運動療法や食事療法、飲酒や喫煙習慣の是正、体重管理などが必要になります。

お薬では、飲み薬や注射薬があります。注射も種類が多岐にわたりますが、インスリン注射の場合は毎日、1~4回注射を行います。また週一回の注射治療薬(GLP-1)もあります。

お薬も、ガイドラインなどで、まず第一に使うべき薬はこれ、そのお薬が何らかの理由で使えない・体質に合わないなどの場合には次はこの薬を使う…と枠組みが確立しています。その枠組みをもとに、患者さんごとのライフスタイルや経済状況、糖尿病をどのくらいまで良くしていくかという目標設定と合わせて、治療内容を決定していきます。

長期間に付き合っていく病気ですし、糖尿病の患者さんはある種のがんの有病率が高いことも知られています。そのため糖尿病の状態を判断するための定期的な採血や採尿に加えて、定期的ながん検診、頸動脈の動脈硬化をみるための頸動脈エコー、膵臓や肝臓の状態をみるための腹部エコー、心電図や胸部レントゲンなどを行なっていきます。