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ストレスや睡眠不足が影響?機能性ディスペプシアの症状・原因・治し方を解説

2023年9月13日

胃痛や胃もたれを「ストレスのせい、いずれおさまる」と放っておいた結果、気づいたら慢性化していた……ということはありませんか?長引く胃痛や胃もたれは、機能性ディスペプシアという病気のサインかもしれません。

機能性ディスペプシアは生活の質を下げるだけでなく、過敏性腸症候群などの合併を引き起こすことがあるので、医療機関での治療が必要です。今回は、機能性ディスペプシアの症状や原因、治し方について解説します。

機能性ディスペプシアとは?

機能性ディスペプシアとは、内視鏡検査などで調べても明らかな異常がないのに、みぞおち辺りを中心とする不快な腹部の症状が慢性的にあらわれる病気のことです。

機能性ディスペプシアは身近な病気のひとつであり、健康診断では受診者のうち11~17%に、病院にかかった方では44~53%に見つかるといわれています。

慢性的な胃痛や腹部の不快な症状というと、「慢性胃炎」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、慢性胃炎の多くはピロリ菌が原因であり、炎症という症状があるため、まったく別の病気となります。

機能性ディスペプシアの症状をセルフチェック

機能性ディスペプシアの症状は、次の2パターンに分けられます。思い当たるものはないか、チェックしてみましょう。

【食後にあらわれやすい症状】
■つらいと感じる食後の胃もたれがある。
■食事をすると、すぐに満腹になる(早期飽満感)。

【食後と空腹時にあらわれやすい症状】
■排便などでは改善しない、胃痛・みぞおち辺りの痛みがある。
■排便などでは改善しない、胃やみぞおち辺りの灼熱感がある。

このほか、次の傾向がある場合は機能性ディスペプシアの疑いがあるとされています。慢性的に続いている場合は、医師へ相談しましょう。

 脂っこい食事を避けても胸やけがする
 食後に不快感や吐き気がある
 げっぷがよく出る

機能性ディスペプシアの主な原因

機能性ディスペプシア原因は多岐にわたり、複数の原因が組み合わさって症状があらわれていると考えられています。

原因【1】胃運動機能異常

胃運動機能異常とは、胃が十分に動かず、食べたものをうまく十二指腸に送れないことです。機能性ディスペプシア患者の約35%に、食べたものを胃から十二指腸へ送る「胃排出」の遅延があったと報告されています。

原因【2】胃・十二指腸の知覚過敏

知覚過敏とは、小さな刺激に反応してしまう状態のことです。機能性ディスペプシアになると、健康な人と比べて軽い胃の拡張刺激で症状があらわれることがあります。

原因【3】心理的要因がある場合

ストレス、不安、抑うつなどが機能性ディスペプシアの原因となることがあります。

原因【4】胃酸が原因となる場合

胃酸による胃や十二指腸の粘膜への刺激が、胃や十二指腸の運動や知覚に影響を与えることがあります。胃酸過多(胃酸の出過ぎ)にも注意が必要です。

そのほかの原因

遺伝的要因や感染性胃腸炎(サルモネラ感染など)が原因となって、機能性ディスペプシアの症状があらわれることがあります。

また、生活習慣には機能性ディスペプシアと関連するものがあると考えられています。たとえば、機能性ディスペプシア患者は健康な人と比べて運動不足な傾向があります。また、不眠やアルコール、喫煙、食生活の乱れなどが機能性ディスペプシアを引き起こす原因になる場合もあります。

胃が正常な位置より常に下がっている胃下垂や、胃の上部が拡張し変形した瀑状胃(ばくじょうい)など、胃の形状がディスペプシア症状と関連がある可能性も指摘されています。

機能性ディスペプシアの治し方

機能性ディスペプシアは、日ごろの生活の質(QOL)を下げるといわれています。しかし、治療によって症状が改善されたら、QOLの回復が可能です。機能性ディスペプシアの疑いがある場合は、我慢せずに医療機関を受診して、適切な治療を受けましょう。

機能性ディスペプシアと診断するにあたって、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などほかの病気を除外する必要があります。そのため多くの場合は、内視鏡検査やピロリ菌感染の検査、腹部CT検査、血液検査などを行います。

機能性ディスペプシアと診断されたら、薬を使った治療や生活習慣指導、食事療法を行います。薬を使った治療では、症状に応じて胃酸の出過ぎを抑える薬や消化管の運動を促す薬、ストレスを和らげる薬などを服用します。生活習慣指導や食事療法では、次のことが推奨されています。

 禁煙指導を行う
 飲酒・コーヒーを避ける
 満腹まで食べずに、少量ずつ複数回に分ける
 高脂肪食を避ける

このほか、十分な睡眠時間の確保や運動不足の解消も症状改善の効果が期待できます。

胃の症状は当院へご相談ください

機能性ディスペプシア患者の25~50%に、慢性便秘や過敏性腸症候群などが合併するといわれています。症状が今よりつらくなる前に、医療機関を受診して早めに治療を受けましょう。

なお、症状がなくても40歳以上の方は、年に1回は胃腸の検査を受けることが推奨されています。

当院は内科全般、特に消化器疾患の診療に力を入れており、仁井田のかかりつけ医として、患者さんおひとりおひとりの悩みや症状をお伺いいたします。胃腸の健康が気になるときや、胃痛などで生活の質に影響が出ているときは、ぜひ、仁井田ゆいクリニックへご相談ください。