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通年性アレルギー性鼻炎とは?原因・症状チェック・花粉症との違いを解説

2023年11月8日

通年性アレルギー性鼻炎は、日本人の約4人に1人がかかっている身近な病気のひとつです。日常的にくしゃみや鼻水が頻繁に出たり、鼻づまりに悩んだりしている方は通年性アレルギー性鼻炎かもしれません。

そこで今回は、通年性アレルギー性鼻炎の原因や簡易的なセルフチェック方法、治し方、身近な対策を中心に解説します。

通年性アレルギー性鼻炎とは

通年性アレルギー性鼻炎は、季節を問わず1年中アレルギー症状があらわれる疾患です。日本人の24.5%が通年性アレルギー性鼻炎に該当するとされており、特に10~40代に多くみられます。

アレルギー症状が日常的にあらわれると、集中力や思考力が低下し、日々の生活でさまざまな悪い影響を及ぼすおそれがあります。また、アレルギー症状によって口呼吸が続くと、空気がそのまま体の中に入り込むため、感染症にかかるリスクが高まるとされています。

通年性アレルギー性鼻炎の原因

通年性アレルギー性鼻炎の主な原因(アレルゲン)は、次のような、いわゆるハウスダストです。

・ダニのふん、死がい
・真菌(カビ)
・昆虫(死がいを含む)
・織物の繊維
・ペットの毛
・動物の鱗屑(皮膚がぽろぽろと剥がれ落ちたもの、フケ)

これらのハウスダストは、1年を通して家の中に存在しますが、家の中で過ごすことが多い寒い時期は、ハウスダストの影響を受けやすく、症状が重くなることがあるので注意が必要です。

通年性アレルギー性鼻炎と花粉症の違い

通年性アレルギー性鼻炎と花粉症の違いは、アレルギー症状が1年中みられるか、そうでないかにあります。

スギやヒノキの花粉などが原因で発症する花粉症は、花粉の飛散時期だけにアレルギー症状があらわれるのが特徴です。そのため、花粉症は「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれています。

通年性アレルギー性鼻炎の症状をセルフチェック

通年性アレルギー性鼻炎の主な症状は次の通りです。当てはまるものが多いほど、通年性アレルギー性鼻炎の疑いがあります。ぜひ、セルフチェックをしてみましょう。

・連続したくしゃみが出る
・透明で水っぽい鼻水が出る
・鼻づまりがある
・鼻水がのどの奥におりて来ることがある(鼻漏)
・目がかゆい、充血する
・口の中やのどがかゆくなることがある
・喘息の症状がある※

※『鼻アレルギー診療ガイドライン(2023年版)』では、アレルギー性鼻炎とアレルギー性気管支喘息(アトピー型気管支喘息)は合併しやすいことが報告されています。合併は特に小児にみられる傾向で、アレルギー性鼻炎の悪化は気管支喘息の増悪を招くおそれがあるとされています。

通年性アレルギー性鼻炎の治し方と体質改善

通年性アレルギー性鼻炎の疑いがある方は、医療機関を受診しましょう。耳鼻咽喉科や内科、子どもの場合は小児科でも診療を受けることができます。

受診時には鼻の粘膜を確認する鼻鏡検査や、アレルゲンに対する皮膚の反応を調べる皮膚反応テスト、アレルゲンに対する抗体の量を調べる血液検査などを実施して、総合的に診断を行います。

通年性アレルギー性鼻炎の治し方には「薬物療法」、「アレルゲン免疫療法」、「手術療法」の3つがあります。ただし、手術療法は薬物療法で症状が抑えられない場合などに用いられることが多いです。ここでは薬物療法とアレルゲン免疫療法を中心に解説します。

通年性アレルギー性鼻炎の薬物療法

薬物療法では、主に次のお薬が使われます。

【ケミカルメディエーター遊離抑制薬】
アレルゲンが体内に侵入したとき、アレルギー症状を引き起こす物質が出るのを抑える薬です。飲み薬のほか、点鼻薬や点眼薬もあります。

【ケミカルメディエーター受容体拮抗薬 】
鼻水を抑える抗ヒスタミン薬の飲み薬や、鼻づまりを改善する作用があるロイコトリエン受容体拮抗薬などがあります。抗ヒスタミン薬には第1世代と第2世代があり、第2世代は効果の発現がやや遅いものの、長く持続する傾向にあり、副作用が少ないともされています。

【鼻噴霧用ステロイド薬】
現在のアレルギー性鼻炎治療薬の中では症状改善効果が強いとされているお薬です。鼻のアレルギー症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)に等しく効果があり、目の症状にも効果が期待できます。

このほか、漢方薬(小青竜湯、葛根湯、苓甘姜味辛夏仁湯など)が用いられる場合もあります。

体質改善に役立つアレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法とは、アレルゲンを少しずつ投与して体をアレルゲンに慣らすことによって、根本的な体質改善が期待できる治療法です。完全に症状が抑えられなくても、症状を和らげ、アレルギー治療薬の使用量を減らすことが期待できます。

治療には長い期間(3~5年が目安)がかかります。また、アレルゲンを用いた治し方なので、事前に原因となるアレルゲンを確定することが重要です。

体質改善が期待できるアレルゲン免疫療法には、「皮下免疫療法」や「舌下免疫療法」があります。

【皮下免疫療法】
医師が注射によりアレルゲンを含む治療薬を少しずつ投与する方法です。

【舌下免疫療法】
アレルゲンを含む治療薬を舌の下に服用する方法です。初回のみ医師の前で服用しますが、その後は自宅で服用できます。

アレルゲン免疫療法では、治療薬の投与によってアレルギー反応や副作用が発現することがあるほか、まれに重篤な症状が発現するおそれもあります。 そのため、事前に医師から詳しい説明を受け、不安な点はきちんと確認することが大切です。

通年性アレルギー性鼻炎の身近な対策

通年性アレルギー性鼻炎の症状軽減に役立つ、環境整備のポイントや日常生活で取り入れやすい対策をご紹介します。

アレルゲンを回避する室内環境を整えよう

通年性アレルギー性鼻炎の主な原因は、ダニだといわれています。ダニは暖かく、湿気のある布団やじゅうたん、畳などを好むので、頻繁に掃除機をかけたり、ほこり払いをしたり、モップをかけたりしましょう。またエアコンや除湿機を活用して、湿度を下げることも有効です。

ほこりがたまりやすい、細々としたものをあまり置かないようにすることも大切です。部屋の中に雑貨やぬいぐるみなどの柔らかなおもちゃ、書物が多く置いている場合は、処分できるものはないかチェックしてみましょう。

同じくほこりがたまりやすい布張りの家具は、こまめに掃除をするか、合成皮革のような別の素材に替えるようにしましょう。

日常生活で手軽に始められる対策

通年性アレルギー性鼻炎にできる身近な対策として、次の3つをご紹介します。

【鼻の洗浄(鼻うがい)】
体液に近い組成の市販の生理食塩水で鼻の中を洗うと、鼻の中にある異物を排除する働きが改善することが期待できます。

【鼻粘膜の保護】
何度も鼻をかんでいると、鼻の粘膜が荒れてしまうので、白ワセリンを塗って保護しましょう。あわせて、鼻をかむときに保湿ティッシュペーパーを活用するのもおすすめです。

【マスクやメガネの活用】
アレルゲンを避けるために、マスクやメガネを着用しましょう。花粉症の場合のデータではありますが、マスクやメガネを着用すると、着用していないときと比べて鼻や目に入る花粉を半分以下に抑えられることが報告されています。※

※参照:花粉症の正しい知識と治療・セルフケア(厚生労働省)

通年性アレルギー性鼻炎でお悩みの方は当院へ

当院の内科では、アレルギー性鼻炎の診療を行っております。くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状にお悩みの方は、まずは当院までご相談ください。

地域のかかりつけ医として、患者さんおひとりおひとりのお悩みやお困りの症状を丁寧に伺い、幅広く対応いたします。