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ノロウイルスの感染力はいつまで?何日続く?家庭向けの感染対策も紹介

2024年2月5日

ノロウイルス感染症は、ノロウイルスが原因の感染性胃腸炎です。11月くらいから発生件数が増え始め、12月~翌年1月が流行のピークになる傾向があります。

また、ノロウイルスによる感染性胃腸炎及び食中毒は1年を通して発生しているので注意が必要です。そこで今回は、ノロウイルスの感染経路や感染力がいつまで続くかの目安、そして自宅でできる感染対策について解説します。

ノロウイルスの感染力はいつまで続く?

ノロウイルスの感染力は非常に強く、10~100個程度のわずかな量が体内に侵入するだけでも発症するおそれがあります。そんなノロウイルスの感染力はいつまで続くのでしょうか?目安として、短くても1週間、長ければ1か月は感染に注意が必要でしょう。

ノロウイルスに感染すると、症状がなくなっても1週間程度は患者の便や吐物からウイルスが排出されているとされています。またノロウイルスは乾燥に強く、12日以上前にウイルスに汚染されたカーペットを通じて感染が広がった例も報告されています。さらに、長ければ1か月ほど患者の便からウイルスが排出されているともいわれています。

ノロウイルスの感染経路

ノロウイルスの主な感染経路は次のとおりです。

【接触による感染】
ノロウイルスで汚染された手指、衣服、物品などに触れることによる感染です。汚染された手指や物品を口に入れることにより、ノロウイルスが口の中に入って感染します。患者のノロウイルスが大量に含まれる便や吐物から、人の手などを介して感染する二次感染にも注意が必要です。

【飛沫による感染】
患者の便や吐物が床などに飛び散り、その飛沫(ノロウイルスを含んだ小さな水滴)を吸い込むことによる感染です。便や吐物を不用意に始末した場合にも飛沫は発生します。家庭や共同生活施設など、ヒト同士の接触が多いところで起こりやすいです。

【食品からの感染】
汚染された二枚貝を生で食べたり、不十分な加熱調理で食べたりした場合に感染します。また、ノロウイルスに感染した人が調理などをして汚染された食品を食べた場合も感染します。

ノロウイルスに感染したときの外出・出席停止について

学校保健安全法では、ノロウイルスによる感染性胃腸炎は「条件によっては出席停止の措置が必要と考えられる疾患」とされています。そのため、出席停止にするかどうかの条件や判断は市町村や学校によって異なります。

「下痢・嘔吐症状が軽快し、全身状態がよい」ことが登校再開の目安のひとつとなりますが、詳細は学校やかかりつけ医に必ず確認しましょう。

また、ノロウイルスに感染したら子どもか大人かを問わず、不要な外出は控えましょう。症状がなくなり、普段の食事ができるようになるまで自宅で安静にするのが望ましいです。

ノロウイルスの潜伏期間と症状

ノロウイルスに感染した場合の潜伏期間や症状、いつ治るかの目安について解説します。

ノロウイルスの潜伏期間?最長どれくらい?

感染から発症までの期間を潜伏期間といいます。ノロウイルスの潜伏期間は、平均で24~48時間とされています。ただし、短い場合は10数時間で発症する場合もあります。 長ければ2日程度の潜伏期間があると目安にすると良いでしょう。

ノロウイルスの主な症状は?いつ治る?

ノロウイルスの主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛です。発熱をともなう場合もありますが、軽度のことが多いとされています。通常、症状は1~2日ほど続いたのち治癒します。後遺症はありません。

症状の重さには個人差があり、感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような場合もあります。一方で、子どもやお年寄りなどでは重症化することもあります。

感染防止につながるノロウイルス3つの対策

ノロウイルスによる感染症や食中毒は、1年を通して感染防止を心がけることが大切です。「こまめな手洗い」や「便や吐物の適切な処理」「日用品などの消毒」の方法を知っておくことは、ノロウイルスの感染防止に役立ちます。

対策【1】手洗いをしっかりとする

手洗いは、 手指に付着したノロウイルスを減らす最も有効な対策といわれています。次のようなタイミングで、こまめな手洗いを心がけましょう。

・外出先からの帰宅時
・調理前や食事前
・トイレに行った後
・患者の汚物処理をした後
・オムツ交換を行った後

手を洗うときは、石けんを十分に泡立てましょう。石けん自体にノロウイルスを直接失活化する効果はないものの、手の汚れを落とすことでウイルスを手指から剥がれやすくする効果が期待できます。

正しい手の洗い方は、下記のイラストをご参考ください。

対策【2】患者の便や吐物を適切に処理する

便や吐物は、乾燥しないうちに速やかに処理しましょう。処理をする前には、使い捨てのエプロンやマスク、手袋を着用してください。汚物中のウイルスが飛び散らないよう、処理をする際は次の手順で行いましょう。

1)汚物をペーパータオル等で静かに拭き取る
2)次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm/約0.02%)で浸すように床を拭き取る
3)水拭きをする
4)ウイルスが屋外に出て行くよう、十分な喚気をする

家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用可です。濃度0.02%の消毒液を作る場合、ペットボトルのキャップ2杯分の家庭用塩素系漂白剤に対し、水2.5lが目安となります。使用に当たっては「使用上の注意」をご確認ください。

対策【3】ドアノブや日用品なども消毒する

ノロウイルスはドアノブや日用品などにも存在することがあります。患者が触れた物は、次亜塩素酸ナトリウムや家庭用塩素系漂白剤を濃度0.02%程度に調整した消毒液で浸すように拭きましょう。

次亜塩素酸ナトリウムは、金属腐食性があります。仕上げに清潔なペーパータオルなどで消毒後の薬剤の拭き取りを十分にするようにしてください。

吐き気や嘔吐で感染性胃腸炎の疑いがある場合は当院へ

ノロウイルスの感染が疑われる場合は、最寄りの保健所やかかりつけの医師にご相談ください。ノロウイルスには抗ウイルス剤はなく、通常、症状に応じた対症療法が行われます。

また、吐き気や嘔吐といった症状は、感染性胃腸炎のほか、逆流性食道炎や急性胃炎などが考えられます。吐き気や嘔吐のほかに症状が無いか、問診や検査をして原因を調べ、適切な処置を受けましょう。